こんな方におすすめ
- 退職を考えている方
- 転職を考えている方
- 退職後のお金に不安がある方
◆退職後の保険、年金について気になる方は必読◆
「退職後に必要な3つの手続き」
この記事を書いた人

大学院博士卒後、大手電機メーカーへ就職。
順風満帆なエリートコースを歩んでいただが、
うつ病発症。
休職期間を経て、退職。
現在、フリーランス社会復帰を目指し、
ハンドメイド品製作に没頭!
そして、いつかは田舎でスローライフ。
Twitter: @akira_fika
失業手当とは?
失業手当は失業保険と混同されがちです。
失業保険は【雇用保険】を意味しており、失業手当は【基本手当】が正式名称となっています。
【雇用保険】は在職期間中、毎月給料から保険料が天引きされる仕組みです。
その保険料をもとに、失業した時に給付されるのが【基本手当】(失業手当)となります。
注意ポイント
この基本手当を受給できる前提として働く意思と能力があるかどうかです。
たとえば、もう働きたくない!などの場合は受給することができません。
また、働く意思があっても、病気などの理由で働くことができない場合も受給することができません。
病気やケガなどの場合は傷病手当金が貰えるかもしれません!
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失業手当の受給条件は?
受給条件には大きく分けて2つあります。
①12ヶ月以上の雇用保険支払い実績
退職する前の2年間で通算12ヶ月以上の雇用保険に加入していたという条件があります。
たとえば、2ヶ月だけ働いて仕事を辞めて、すぐに手当を貰うということはできません。
そうなると、無限に失業手当を貰えてしまいますからね。
したがって、過去2年間の間に働く場所が変わっていたとしても
通算で12ヶ月以上働いた実績と雇用保険加入実績があれば、1つ目の受給条件はクリアです。
②求職の申し込み
そして、①の条件を満たしている場合、居住地の最寄りのハローワークにて
離職票を提出し、【求職の申し込み】をする必要があります。
つまり、失業手当の基本的な考え方のもと、
働く意思と能力があるかどうかの確認です。
これら2つの条件を満たすことで、失業手当を受給することができます。

答えはNoです
失業手当はいつから貰えるのか?
失業手当の受給開始日については
どのように会社を退職したかによって変わります。
①自己都合退職
自分の都合で会社を辞めた場合は【自己都合退職】となります。
この場合、給付制限期間が発生し、3ヶ月間(※)は失業手当を受給することができません。
仕事を辞めて収入が無いのに、3ヶ月間も手当が貰えないのです。
これは様々な解釈がありますが、
「自分の都合で会社を辞めたんだから、仕方ないよね。」
という考え方があるようです。
※給付制限期間が令和2年10月1日より3ヶ月から2ヶ月に短縮されています。
②会社都合退職
2つ目は働いていた会社が倒産したり、解雇された場合は【会社都合退職】となります。
つまりまだまだ働きたかったのに、会社の都合で働けなくなった。という場合ですね。
この場合は自分で辞めることを決定したのではなく、雇用主(会社)の事情により働けなくなったため、給付制限期間はなく、失業手当を受給することができます。
私の場合、うつ病を発症し、休職しておりました。
しかし、復帰することができませんでした。
会社の規則には休職できる期間が設けられており
その休職期間が満了したため、退職することになりました。
このようなケースの場合、あくまでも【自己都合退職】となります。
自分の病気が理由で復職することができず、退職した場合も
自分の都合と見なされ、【自己都合退職】となります。
重要
条件が当てはまれば【特定理由離職者】となり、給付制限が無くなる可能性があります。
病気ですぐに働くことができない。
だけど、失業手当も貰えない。
このような状況になってしまいます。
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失業手当はいくら貰えるのか?
失業手当で受給できる金額は元々の賃金から算定されます。
通常、退職前6ヶ月間の総額を180日で割って1日当たりの【賃金日額】を算出いたします。
そこから算出された【賃金日額】を【年齢】を考慮した金額が失業手当として給付されます。
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額(失業手当日額) |
退職時の年齢が29歳以下 | ||
2,500 円以上 5,010 円未満 | 80% | 2,000 円~4,007 円 |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 80%~50% | 4,008 円~6,165 円 |
12,330 円超 13,630 円以下 | 50% | 6,165 円~6,815 円 |
13,630 円(上限額)超 | - | 6,815 円(上限額) |
退職時の年齢が30歳~44歳 | ||
2,500 円以上 5,010 円未満 | 80% | 2,000 円~4,007 円 |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 80%~50% | 4,008 円~6,165 円 |
12,330 円超 15,140 円以下 | 50% | 7,570 円(上限額) |
15,140 円(上限額)超 | - | 7,570 円(上限額) |
退職時の年齢が45歳~59歳 | ||
2,500 円以上 5,010 円未満 | 80% | 2,000 円~4,007 円 |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 80%~50% | 4,008 円~6,165 円 |
12,330 円超 16,660 円以下 | 50% | 6,165 円~8,330 円 |
16,660 円(上限額)超 | - | 8,330 円(上限額) |
退職時の年齢が60~64 歳 | ||
2,500 円以上 5,010 円未満 | 80% | 2,000 円~4,007 円 |
5,010 円以上 11,090 円以下 | 80%~45% | 4,008 円~4,990 円 |
11,090 円超 15,890 円以下 | 45% | 4,990 円~7,150 円 |
15,890 円(上限額)超 | - | 7,150 円(上限額) |
参照:『雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ』(厚生労働省:雇用保険の気補填手当:LL020212 保 01)
自分がどれくらい貰えるかはだいたい計算できるので、確認しておきましょう。
失業手当はいつまで貰えるのか?

失業手当についてはいつまでも貰えるわけではありません。
これについても会社をどのように退職したか、さらにどれだけ働いていたかによっても変わってきます。
①自己都合退職者の場合
10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
②会社都合退職者の場合
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
自分がどこに当てはまるか確認してみましょう!
重要
病気が理由で会社を辞めた場合は特例により条件が異なる場合がございます。
失業手当を貰う方法は?
では、どうしたら失業手当を貰ることができるのでしょうか。
必要なもの
離職票(原本が必要)
顔写真付きの身分証明書
顔写真(3cm×2.5cmサイズ)2枚
印鑑
銀行通帳(口座確認のため必要な場合も有)
必要なものを揃えて、お近くのハローワークへ行き、①【雇用保険課】にて申請をする。
その後、7日間の待機期間を経て、②【雇用保険受給説明会】に出席する必要があります。
この説明会で③【雇用保険受給資格者証】が渡されますので、受け取ってください。
これで無事完了です。
その後の振込スケージュールなどについては
ハローワーク担当者に確認することをおすすめいたします。
まとめ
失業手当を受給するには12ヶ月以上働いていた実績が必要
働く意思と働く能力があることが条件
退職の仕方によって、貰える時期が異なる