個人事業主になると何かと節税対策について考える機会が増えました。
というのも、健康保険や住民税など
これまでは給与からの天引きだったものが
自分で払う必要があるからですね。
しかも、意外と高いんですよね・・・。
でも、個人事業主には何かとメリットもあります。
それは、会社員よりも節税効果が大きいところにあります。

人生100年時代と言われている今、いかに老後資金を準備するかが注目されています。
こんな方におすすめ
- 節税に興味がある
- 老後資金が心配
- 投資や貯蓄に興味がある
老後のために資金を準備するイメージはモワモワと考えづらいもの。
そこで、今回は少額から老後資金を準備することができる年金制度「iDeCo」について解説します。
iDeCoの名前だけは聞いたことがあるという方も、
年金制度はイマイチわからないという方でも大丈夫!
本当はすごいiDeCoの運用メリットなどについて、わかりやすく記事にしました。
サクッと読める内容になっていますが、
iDeCoへの理解度が深まりコツコツと老後資金の準備をできるようになります。
この記事を書いた人

大学院博士卒後、大手電機メーカーへ就職。
順風満帆なエリートコースを歩んでいただが、
うつ病発症。
休職期間を経て、退職。
現在、フリーランス社会復帰を目指し、
ハンドメイド品製作に没頭!
そして、いつかは田舎でスローライフ。
Twitter: @akira_fika
iDeCoとは
自分で老後資金を作ることができる積み立て投資のことです。
正式名称で「個人型確定拠出年金」と呼ばれています。
国民年金や厚生年金とは異なる任意で加入できる私的年金のことです。
簡単解説
最初に運用する投資信託を選んで掛金を決めます。その決まった金額で毎月投資信託を買って積み立てをし、積み立てが終わるとそれらが売却されて、利益を得ることができる。老後のために資金を積み立て投資し、運用益を得ることで資産を増やしていくようなイメージです。
iDeCoの掛金について
iDeCoの掛金は、月々5,000円から1,000円単位で設定でき、
掛金額は1年に1回だけ変更できます。
さらに、ボーナス一括払いなど、
加入者が決めた月でまとめて拠出することも可能です。
加入者の掛金平均は15,643円ですが
(掛金平均参考:国民年金基金連合会 iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(2021年1月時点))
拠出できる金額には上限があり、職業や企業によって決まっています。
自営業・フリーランス(第1号被保険者)
月68,000円
会社員・公務員(第2号被保険者)
・企業年金、企業型確定拠出年金のどちらにも加入していない:月23,000円
・企業型確定拠出年金に加入している:月20,000円
・企業年金に加入している、または公務員:月12,000円
専業主婦(夫)(第3号被保険者)
月23,000円
公務員や会社員は公的年金や退職金が多くなるため上限が低く、
公的年金や退職金が少ない自営業の上限は高く設定されている特徴があります。
厚生年金や国民年金とはどう違う?年金制度の種類とは?
日本の年金制度には「公的年金」と「私的年金」があり、3階建の家に例えることができます。
国民年金(1階)
1階部分に該当する年金制度です。
20歳~60歳までのすべての人に加入が義務付けられています。
すべての年金の基礎であるため、別名で「基礎年金」とも言います。
厚生年金(2階)
会社員や公務員などが加入する年金制度です。
厚生年金に加入している人は自動的に1階部分の国民年金にも加入しています。
国民年金にのみ加入している人(自営業者等)よりも追加で支払っている分、
老後に受給できる年金額が増えることが特徴です。
給与から天引きされていることが一般的です。
私的年金(3階)
1、2階のような公的年金に上乗せして、任意で加入できる年金制度です。
iDeCoのように個人的に加入するものと、
企業年金のように「従業員の老後のために会社が任意で設ける年金制度」があります。
iDeCoの節税3大メリットとは
iDeCoは「拠出・運用・受取」の3つのステップで節税効果を得ることができます。
税制度の優遇を受けられる資産運用にはつみたてNISAなどがありますが、
「拠出・運用・受取」の3つで優遇を受けられるのはiDeCoだけです。
では、どのような節税効果があるのかを詳しく解説していきます。
step
1掛金が「全額」所得控除される
iDeCoで積み立てた掛金は、全額が所得控除の対象となります。
たとえば、毎月23,000円をiDeCoに積み立てた場合
年間で276,000円すべてが所得控除対象です。
¥23,000×12ヶ月=¥276,000
年収からさまざまな控除を引いたもの「所得」といいます。
税金はこの「所得」にかかるため、同じ年収でも「所得」が小さければ税金は安くなります。
iDeCoはこの所得から掛金分が控除されるため、「所得」が小さくなります。
したがって、iDeCoを利用した場合、老後資金を積み立てながらも、節税することが可能なのです。
ココに注意
276,000円分の税金が控除されるのではなく、所得から276,000円が控除されるという点。また、最初から所得が0円の方には、この所得控除の恩恵を受けられない点に注意が必要です。
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2運用益がすべて非課税になる
通常、株式や投資信託などの資産運用で得られる利益には税率20.315%が課税されます。
※すべてが当てはまるわけではありません。
たとえば、100万円の利益を上げたら約20万円を税金として徴収され、
手元には約80万円しか残らないのです。
しかし、iDeCoであればこの運用益にかかる税金をすべて免除されるというメリットがあります。
iDeCoは60歳までの長期運用を前提としており、
この長期運用には元本が雪だるま式に増えていく「複利」がポイントとなります。
本来は税金として引かれるはずの運用益の100%を運用に充てることができるため、
通常よりも有利に資産運用できます。
この「運用益が非課税になる」という面はNISAのような少額投資非課税制度と共通です。
しかし、NISAは預貯金を対象外としているのに対し、iDeCoは預金利息も非課税になる特徴があります。
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3受け取る時一定額が非課税になる
iDeCoで積み立てた資金は年金方式か一時金方式で受け取ることができます。
その際に一定額が非課税になるというメリットがあります。
一時金方式とは?
この場合は「退職所得」となり、退職所得控除をうけることができます。
年金方式とは?
年金方式で資金を分割で受け取る場合は雑所得となり
「公的年金等控除」を受けることができます。
公的年金と合わせた金額が65歳未満だと70万円まで、
65歳以上だと120万円までは税金がかかりません。
iDeCoのデメリット
運用リスクを伴う
iDeCoは運用する商品によっては元本が保証されません。
iDeCoの主な運用は投資信託です。
リスクは高いけれど運用益が大きな商品と、
リスクが低く運用益も少ない商品をうまく組み合わせる必要があります。
また、「リスクがあるのは嫌だ。」という方でも
安心して利用できるように
定期預金という元本や利息が保証されている運用方法を選ぶことができます。
しかし、投資信託と比較すると、なかなか資産を増やすことはできません。
ココに注意
運用に手数料がかかる
iDeCoに加入すると「iDeCoの仕組みに支払う手数料」が発生します。
大きく分けて「加入時・運用時・受け取り時」のタイミングで支払う必要があります。
iDeCoを始めるには、まずiDeCoを取り扱う金融機関で専用口座を開設しなければなりません。
その際に2,829円の手数料がかかります。
さらに掛金を積み立てる際に最低でも171円、
資金を受け取る際は1回ごとに440円の手数料を支払わなければなりません。
これらの手数料は「国民年金基金連合会」「信託銀行」「自分で選んだ金融機関」に支払われます。
しかし、金融機関よっては「運営管理手数料が0円」のように手数料が安くなる場合もあります。
すると、掛金を積み立てる際にかかる手数料は「国民年金基金連合会へ105円」「信託銀行へ66円」の計171円になるということです。
元本確保型の安全な金融商品だけで運用していると、
手数料が運用利回りを上回ってしまうこともあるため、
より安い手数料の金融機関でiDeCoを申し込むべきでしょう。
原則60歳まで引き出せない
iDeCoの目的は老後のための「私的年金」です。
したがって、原則60歳まで掛金や運用益を引き出すことができません。
iDeCoに加入している途中で退職しても、原則60歳までは継続する必要があります。
途中でiDeCoを脱退し一時金を受けとれるケースもあります。
しかし、これには自営業者など(国民年金の第1号被保険者)で保険料免除者であることや、
掛金の支払い期間の合計が1ヵ月以上3年以下であることなど、
さまざまな条件に当てはまる場合のみです。
緊急時にお金を受け取ることができないため
毎月ムリのない掛金額を設定することが大切です。
老後資金はどれくらい貯まるの?
今から積み立てを始めたら、どれだけ老後資産を蓄えることができるのでしょうか。
これは、月々の掛け金や、加入年数、投資商品や利回りによって大きく変わります。
ネットには年齢や年収、掛金などを入力することで
どれくらいの老後資金を作れるかのシミュレータがあります。
興味がある方は是非、シミュレーションをして自分の老後資金を確認してみてください。
iDeCoは投資信託のなかでも、税制優遇など多くのメリットがあります。
手数料や利回りについて、商品を選ぶ際に注意すべきことはあります。
自分の収入に合った無理のない掛金で、老後資金の準備にチャレンジしてみると良いでしょう。
私は会社員時代から
iDeCoで積み立て・運用をしています。
退職した時は保険者属性が第2号被保険者から第1号被保険者へと変更になります。
それに合わせて、掛金の上限額も引きあがりました。
そのため、毎月の掛金を増やし、さらに節税効果を狙いました。
また、毎月の掛金を増やすことで老後資金を増やすこともできます。
安心してのんびり田舎暮らしを目指すために
毎月コツコツと運用していきます!
個人事業主やフリーランスの方は退職金もなく、
厚生年金がないため、会社員よりも退職後の資金が低くなってしまいます。
そのため、iDeCoでしっかりと積み立て・運用を行うことをおすすめします!